感動をもたらしてくれた、あの店のメニュー

何の変哲もないメニュー「カツ丼」が時々人生の中でフッと思い出される、そんな瞬間があります。

感動をもたらしてくれた、あの店のメニュー

何の変哲もないメニュー「カツ丼」が時々人生の中でフッと思い出される、そんな瞬間があります・・・ (女性 44歳)

何の変哲もないメニュー「カツ丼」が時々人生の中でフッと思い出される、そんな瞬間があります。
そのメニューを出すお店は家族経営らしく、普通の食堂でした。
そこにいつも行くことを選択するのは父親でした。
父は月に一度、家族揃って外で食事をすると決めていたようでした。

しかし、私はその家族揃って行くのがとてもイヤでした。
そして何より父親と一緒に居るのは違和感がありました。
父親はその頃は家の中では不機嫌で怒りっぽく、子供のみならずその友人にまで怒りをぶつける事がありました。
こういう事が多々あり、いつ怒り出すか分からない状況の父親と一緒の空間にいる事は緊張感がありました。

しかし、この食堂に来る時、父親は上機嫌になり、自ら家族全員の注文を取りまとめ、オーダーを率先して行うのです。
好きで定番の「カツ丼」が出て来ると、全てが吹っ飛んで食べるのに専念出来ました。
家族4人殆ど喋らないで食べました。
それは最近まで続けられていましたから、父がやりたい事であったのでしょう。今では、一緒に食事をする事は体調の関係で困難になりました。

今でも強烈に「カツ丼」が食べたくなる時があり、何だかそれは外で食べないといけないような感覚が残っています。フッと「カツ丼食べたい」と思ってしまうのです。
しかも、「カツ丼」を食べると「幸せだ」と即座に思ってしまうのです。
幼い頃の情景が浮かんでくる訳では無いのですが、ただ幸せと満足感だけが込み上げてきます。
そういえば、父親も時々カツ丼を食べていました。
もしあの時の「カツ丼」が、父親に幸福と満足感を与えていたのなら嬉しいと、今の父を見て思います。あの食堂の空間では私と父、同じ感覚を共有出来ていたという事になりますね。

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