感動をもたらしてくれた、あの店のメニュー

もともと食べることは好きです。

感動をもたらしてくれた、あの店のメニュー

もともと食べることは好きです・・・ (男性 66歳)

もともと食べることは好きです。
そうした私にも記憶に残る品があります。
時代は古くて申し訳ないのですが、昭和46年の冬のことです。
関西に住む私は就職試験のために、初めて上京しました。
新幹線に乗ったのも初めてでした。
東京駅に着いたのは夕刻で、東京駅は勤め帰りの人であふれていました。
目的の旅館は山手線の別の駅でしたが、初めての東京でもあり、旅館では食事を頼んでいませんでしたので、駅の外に出ました。

そこは大手町側だったのだろうと思います。学生が気軽に入れそうな店はありません。すると、高架下に札幌味噌ラーメンと赤く染め抜いた幟が風になびく店がありました。
混んでいそうでしたが、他に店もないので中に入りました。

カウンター席だけでしたが、中はサラリーマンらしい男性で一杯です。
席を一つ空けてもらえたので、味噌ラーメンを注文しました。
すると、厨房の中でラーメン作りが始まりました。
フライパンの中では具材にスープが煮えたぎり、麺をゆでる釜も煮えたぎっています。
ほどなく、とてつもなく大きな丼に入った味噌ラーメンが目の前に置かれました。
野菜もたっぷり入り、麺のしこしこ感、スープのほどよい辛さなどがあいまって、初めての味とはいえ、こんなに旨いラーメンがあったのかと驚いたものです。
若い体にも量的にも十分でした。
満足感一杯で目的地に向かいました。

その後、無事就職し、関東に配属されたのですぐに行ってみましたが、既にその店はありませんでした。
店の名前も、ご主人の顔も覚えていませんが、その後もその味を超えるラーメンに出会ったことがない、味噌ラーメンの味でした。
半世紀弱の歳月の後も記憶に残っています。

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